タイトルは徳大寺有恒氏の名著「こんなクルマには乗ってはいけない」をパクってみたました。
さてさて、住めば都という言葉が有りますが、クルマにも案外当てはまるのかと最近思います。
乗れば愛車?とでも言いましょうか、じわりじわりと乗ってるうちに良さがにじみ出てきて悪くないと思うようになると。いわゆるそれが罠なんですけどね。
その昔の知り合いでS2000やランエボに乗ってた人がホンダのフリード1台になった時、「流石に非力なファミリーカーはつまらなくないですか?」と聞いたことが有ったんですが、意外に「ハンドリングもダッシュも不満ないですよ」という答えでした。
のべつ幕なしにアクセルを踏み散らかしてた人のセリフとは思えず、頭がクラクラしたのを覚えてます。
- そして僕もファミリーカーに
- もう一度いいますがスポーツカーとファミリーカーは別物ですので
- ざっくり期待してないファミリーカー(コンパクトカー)の紹介
- そこまで興味がないので勿論興味のないまま運転します。
- 所詮ファミリーカー
- 妥協してると自覚してないと持ってかれる
- 結論
そして僕もファミリーカーに
RX-7(FD3S)が盗まれて買い直すどころか中古市場が高騰し貯金が追いつかなくなり、今はファミリーカーをころころ転がしていますが、結論からいうと確かに悪くないなぁって気になってます。
まぁもちろん妥協ですよ、そもそもエンジンや足回り見た目など、根本的な構造もコンセプトもまるで違うファミリーカーとスポーツカーを直接比較するのはナンセンスですよね……。
そもそもスポーツカーが好きで他の車に無関心と言っておきながら、ファミリーカーも悪くないと思ってる事自体がナンセンスにも思えるのですが、やはり妥協、妥協はすべてを解決するのです。
妥協という言い方もあんまいい気がしないので、ここはTOPをわきまえたと言うべきでしょうか?大人の階段登ったわけです。
もう一度いいますがスポーツカーとファミリーカーは別物ですので
何度も言いますけどスポーツカーとファミリーカーはコンセプトが根本的に違います。
オラオラコンセプトのスポーツカーとほのぼのコンセプトのファミリーカーなので、当然構造もデザインも違います。特にデザインは明確でスポーツカーの「やる気の出る」ルックスはもちろんオラオラ待ったなしです!
ではファミリーカーは?もうクルマの見た目で気分が変わります。
車高が低くてスタイリッシュでかっこいい「あー速そうだな」と思うスポーツカーから、ズングリしてて小柄で「あー燃費良さそうだな」と思うファミリーカー。
ドアノブに手をか掛けると重く長いドアを力強く開けホールドの良さそうなシートに滑り込むスポーツカーから、短く軽々ぱかりと開くドアや台所の椅子に座る感覚でシートに座るファミリーカー。
シートに滑り込むとレッドゾーンの回転数が高い大きなタコメーターや、ブースト計、油圧計など各種インフォメーションが目に入りクルマが「俺は速いぜ」とアピールしてくるスポーツカーから、スピードメーターと燃料系が目に飛び込み「僕は燃費がいいよ安全運転でね!」とアピールしてくるファミリーカー。
違う!全く違います!この乗り込むまでに受ける印象の違いがデカ過ぎるので、ファミリーカーにはなんの期待もしないのです!
まぁ、期待してもいいけどその期待はベクトルが違いますよね。
ざっくり期待してないファミリーカー(コンパクトカー)の紹介
一部のトガったスポーツカー至上主義者にはヤリスとスイフトとフィットとマツダ2のようなコンパクトカーを並べても見分けがつかないでしょうね!(ド偏見)
流石に見た目くらいは区別がついても、乗り込んで内装で区別がつくかと言えば結構怪しいと思います。
だって興味が無いんだもん!でもそれが罠。
ちなみに僕の足はホンダの3代目GK型Fit(多分)の前期型1.3GFというグレードで(多分)、エンジンは1.3LのDBA-GK3というエンジンを積んでいて(多分)、パワーは100PSほど(多分)で変速はCVT(多分)、車重は1030kg(多分)と軽量でこれを前輪駆動で引っ張ります。
(多分)が多いのはまじで興味がないので本気で調べてないからです。
そこまで興味がないので勿論興味のないまま運転します。
分別や常識と煩悩と本能の境界が曖昧なヤングメンの頃なら、スピードの衝動に抗いきれずアクセル踏み込んで「このクルマパワー無いぞぉおおおあお!」と車格の割に広い車内でシャウトしてたかも知れませんが、無駄に長く生きてしまった僕は期待してないクルマのアクセルなんて全開にしません。
そもそもノーマルのファミリーカーに乗って街なかでイキり散らかす姿を公衆に晒すなんて、元FDオーナーの薄っぺらでしょっぱいプライドが許さないので、遵法精神に則ってファミリーカーらしく走り出しまする。でもそれが罠。
いざ走り出すと期待してなかっただけにおや?と思える瞬間があります。車重が軽くギア比(CVTだけど)が低いのかエンジンが低回転型なのかするする進み出し、ファミリーカーの割には硬くないかな?とさえ思う足回りで交差点もキビキビ走ります。これも車重が軽いのが効いてるのかな。
僕はFDを修理に出した時の代車でハイト系の軽四に乗ってたんですが、これが絶望的に遅くママチャリにも負ける勢いで、足も圧力釜で揚げたチキンのように柔らかジューシーだったので、もう走るのが結構苦痛だったんですが、その記憶の比較も有ってかフィット意外に走りおるなぁと更に錯覚に拍車が掛かります。
そう全ては錯覚です。ロータリーツインターボのライトチューンのクルマから乗り換えてフィットが速いわけ無いですからね。
でもフィットだからフィットらしい走りをしようと思って走れば思ったより面白く、これ峠いっても面白いかも!とアホな錯覚をします。
そもそも僕はクルマにさえ乗ってりゃ楽しい性分なので、コダワリを捨てればなんでも楽しいってのが災い、いや幸いしてフィット楽しいのです。
所詮ファミリーカー
思ったよりエンジンのピックアップいいなぁとか思っちゃだめですよ、僕は迂闊にも思いました。そして愚かにも遅いセダンの追い越しの時にその実力を解放せんとアクセルを踏み込みます。唸るエンジン!動かない速度計、唸るエンジン、全然追い越せないセダン。
時空が歪んだかのようにノロノロと追い越しを掛けるフィット!そしてBGMには壮絶に唸るエンジン音!やっぱ回らんエンジンでした。
だがこいつには引き締まった足回りが有る!
今度は高速道路で実力を試すぜ!とこれはまぁ結構良かったですよ、フィット案外ボディ剛性がいいので足がしっかり仕事してましたね。
でも街なかでちまちま走ってる時の足の硬さから思うとやっぱ柔いかなぁ?と思いますし、高速走行での足の動きも結構バタバタ気味でした。これはボディの形状も関係してるかも知れませんね。
妥協してると自覚してないと持ってかれる
結局普通のコンパクトカーはコンパクトカーです。そりゃGRヤリスやスイフトスポーツならまた違うでしょうけど、安っすいグレードのコンパクトカーに何を求めてるねんと。皆がコンパクトカーに求めてるのは経済性と積載量ですよね。
しかし、これを踏まえてコンパクトカーを運転すれば、スルメのような深い味わいがあるもんで現状を受け入れられれば楽しめます。でもそれが罠。
便利だし、燃費もいいし、まぁ普通に走ってる分にはキビキビ走るのでかわいいやつって気になります、時たまスポーツカーが駆け抜けていくのを見るとなんとも言えない郷愁が襲いますが、ま、本当に欲しいクルマを買うまではこれを楽しもうと思えばますます罠にハマっていい感じです。
結論
のべつ幕なしにアクセルを踏む人や、スポーツカーに乗ってる自分しか認められない人でなければ、今どきのコンパクトファミリーカーは良いか悪いか妥協ができてしまうヤバいやつです。
2台持ちならともかく、つなぎで乗るかなと軽い気持ちで乗ると「しばらくこれでいいかも!」と魔が差す罠だらけのやべー奴、それが今時のコンパクトファミリーカー。
軽い気持ちで乗ってると「しばらく」の終わり時を見失いますぜ!